バッテリーに貯めた電気を使って走るEVは、自宅に設置した充電設備や、街中の充電スタンドで電力を補う必要があります。
充電スタンドを利用するにあたって、街中に設置されている場所や充電が完了するまでのプロセスが気になる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、EVの充電方法や充電スタンドの利用方法をご紹介します。
いざ充電が必要になったときに困らないよう、EVを初めて購入される方はぜひ最後までご覧ください。
目次
EVの充電方法
EVの充電方法は、普通充電と急速充電の2種類です。
車体には、ガソリン車の給油口の代わりに大きさの異なる2つの充電口がついており、小さいほうは普通充電、大きいほうは急速充電の際に使用します。
普通充電と急速充電の特徴を押さえたうえで、利用するシーンや目的に合わせて使い分ける際の参考にしてください。
普通充電
普通充電は、電圧が周期的に変化する交流電源を用いる充電方法です。
基本的に普通充電は、自宅の充電設備や公共のEV車用充電スタンドで用いられます。
充電する際には、単相交流100Vコンセントまたは200Vコンセントを使用し、100Vなら1時間、200Vなら30分の充電時間で10kmほどを走行できます。
バッテリーが満タンになるまでに時間がかかるものの、低い電圧で電流をゆっくりと流すことで熱を発生しにくく、バッテリーへの負荷を減らせることがメリットです。
急速充電
急速充電は直流電源を使用することで、普通充電よりも速く電力を供給できる充電方法です。
出力数は充電器の種類によって変わりますが、国内に設置されている急速充電器は20~50kW程度で、3~6kWほどの普通充電の出力と比べると、その差は歴然です。
将来的には、90kW以上の出力で電力を供給できる充電スタンドの設置も検討されています。
普通充電よりも圧倒的に速く充電が完了する一方で、そのぶん熱が発生し、バッテリーにとってはあまり優しい充電方法とはいえません。
また急速充電には、バッテリーの負荷を抑えるために満充電できないことにくわえて、「1回あたりの充電時間は30分まで」と利用するうえでの制限が設けられています。
EV車用充電スタンドの利用形態
EV車用充電スタンドは、利用者の目的に応じて利用形態が異なります。
どのようなときにEVを充電するのか、利用シーンを3つに分けてご紹介します。
基礎充電
基礎充電とは、自宅やガレージなどEVを駐車する場所で行う充電を指します。
EVを使わない時間を活用するので、普通充電設備を使い時間をかけて充電することが一般的です。
就寝時をはじめとする空いた時間で充電できるため、効率的な充電スタイルといえます。 【関連記事】 EVの充電スタンドを自宅に設置する方法や工事費用を解説
目的地充電
目的地充電では、宿泊施設や商業施設、レジャー施設など、目的地に設置された充電スタンドを使って、到着するまでに消費した電力を補います。
上記に挙げた施設はドライブの目的地となるため、普通充電器が急速充電器の数を上回っているケースがほとんどです。
「充電スタンドが併設されているからついでに施設に入ってみよう!」という流れの集客を狙って、さまざまな施設に充電スタンドが設置されています。
経路充電
サービスエリアや幹線道路沿いにある道の駅など、ドライブの途中で充電することを経路充電といいます。
経路充電では、短い時間でより多くの充電量を得ることが求められるため、普通充電器と比べて高出力で充電できる、急速充電器を設置した施設を利用されるケースが大半です。
EV車用充電スタンドがある場所
国内でも設置が進められているものの、見慣れていないと「そもそも、充電スタンドはどこにあるの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
スムーズに充電するためにも、普通充電と急速充電に分けて、EV車専用充電スタンドが設置されている主な場所をお伝えします。
普通充電が設置されている場所
普通充電器が用意されているのは、長時間の滞在が予想されるような、オフィスビルの駐車場や宿泊施設、商業施設などです。
たとえば六本木ヒルズや東京ミッドタウンでは、駐車区画に多くの普通充電器が設置され、電力の残量に応じて順番に充電していく仕組みを導入しています。
ほかにも、宿泊施設では宿泊客が利用できるEV用の200Vコンセントが備えられていることにくわえて、さらなる普通充電器の導入が進行中です。
長野県白馬村を例に挙げると、すでに30軒ほどの宿泊施設で普通充電器が設置されています。
今後も、普通充電器がさまざまな施設で増設される動きが、ますます活性化することが期待できます。
急速充電が設置されている場所
急速充電器は主に高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、幹線道路沿いの道の駅、ディーラーといった道路から、すぐに利用できる場所に設置されています。
また、最近ではファミリーマートやローソンなどのコンビニエンスストアの駐車場のほか、役場や公園といった地方自治体の施設でも、急速充電器の設置が進んでいます。
EV車用充電スタンドの使い方
EV車専用充電スタンドは、基本的に充電器に記載されている利用方法に沿って操作を行います。
ここでは、一般的な充電スタンドの利用手順をご紹介します。
EV車専用充電スタンドを利用する手順
指定のスペースにEVを停める
EVのライトが消えていることを確認する
EVのパワースイッチを切る
充電器に記載の手順に沿って“充電カード”を認証する
充電口にコネクターを差し込む
自動で充電されるのを待つ、または“開始ボタン”を押す
充電ランプが点灯していることを確認する
指定の手順通りに“充電終了ボタン”を押す
充電ランプが消えていることを確認する
コネクターを外してケーブルを戻す
充電口を閉じる
EVを充電スペースから移動させる
充電カードとは、EVを充電スポットで充電する際、ユーザー認証や支払い手続きを円滑に行うためのカードのことです。
この充電カードは、加入するプランによって、月額または年額を支払うことで利用できます。
EVの購入時に契約したあと、クレジットカードをはじめとする支払い先の情報を登録しておくと、充電時の手続きが迅速に行えます。
充電スタンドによって若干流れは異なるものの、普通充電と急速充電で利用方法に違いはありません。
EV車用充電スタンドの料金
充電スタンドの利用料金は、充電カードのプランによって異なります。
ただし、一般的に高出力で素早く電気を供給する急速充電のほうが、普通充電よりも値段が高くなります。
使用するたび料金を支払う場合は、普通充電が1分間に3円ほどであるのに対し、急速充電は1分間で27円程度と、10倍近い料金が設定されていることも稀ではありません。
なお、充電カードで月会費制のプランを利用していれば、普通充電器や急速充電器の利用回数が無制限となります。
充電カードの加入プランは、充電スタンドの利用頻度や支払金額を考慮して、適切に選定しましょう。
EV車用充電スタンドを利用する際のマナー
公共の充電スタンドを利用する際には、いくつかのマナーが設けられています。
EVの充電時特有のマナーとして、“おかわり充電”をしてはいけないことが挙げられます。
おかわり充電とは、急速充電が完了したあとにもう一度充電を繰り返すことです。
特に急速充電スタンドでは、その利便性から普通充電と比べて混雑が予想されるため、次の利用者が待っている場合、おかわり充電は控える必要があります。
また、充電完了時間を大幅に超えて充電スペースにEVを放置すると、順番を待っている利用者に迷惑がかかります。
充電が終わったタイミングですぐにほかの利用者に充電スタンドを空けられるよう、充電が完了する時間を考慮して、充電スタンドに戻る時間を調整しましょう。
EVの充電時の注意点
最後に、EVを充電する際に気をつけておきたい確認事項をご紹介します。
EVは電池の不具合や発火、破裂などのリスクを避けるため、急速充電器では最大でも80%までしか充電できません。
とはいっても、バッテリー容量の80%まで充電できていれば、EVの車種にもよりますが日中問題なく走行することが可能です。
どうしても100%まで充電したい場合は、普通充電器または、自宅に設置した充電設備を利用しましょう。
充電スタンドの充電器に記載された手順に沿ってEVの電力を補充することができる
今回は、EV車用の充電スタンドの使い方をお伝えしました。
EVを充電する際には、宿泊施設や商業施設などの目的地にくわえて、高速道路のサービスエリア、またはパーキングエリアなどの道中に設置されている充電スタンドを利用します。
使用方法は充電器に記載されているため、初めて使う場合でも手順に困ることはありません。
なお、おかわり充電は控える、充電スタンドにEVを長時間放置しないなど、ほかの利用者を考慮して充電スタンドを活用しましょう。
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