こんにちは!
東京都新宿区にある株式会社ecloreにて、事業部長をやっております望月と申します。
これまで、数々の試乗レポートや紹介記事を通して、BYDのEVがいかに優れているかをお伝えしてきました。
しかし「結局他社の車と比べてどうなの?」という点こそ、ユーザーのみなさまの気になるところですよね。
そこで今回は、BYDのEVと他社の車との性能差について、徹底比較していきたいと思います!
どこのメーカーのEVを買おうか迷っているのであれば、ぜひ参考にしてください!
目次
BYDのEVのラインナップ
他社の車との比較に移る前に、『DOLPHIN』と『ATTO3』、そして今春発売予定の『SEAL』の情報を整理しておきましょう。
なお、SEALの諸元については、今後日本で発売される際の値とは異なる可能性があるため、ご注意ください。
【BYDのEV3車種の基本情報】
| DOLPHIN ※1 | ATTO3 | SEAL ※2 |
タイプ | コンパクトカー | SUV | セダン |
乗車定員(名) | 5 | 5 | 5 |
航続距離(km) | 400/476 | 470 | 555 |
電池容量(kWh) | 44.9/58.56 | 58.56 | 82.56 |
最高出力(kW) | 70/150 | 150 | 230/390 |
車両価格(円) | 363万/407万 | 440万 | 380万/600万 |
CEV補助金込みでの価格(円) | 298万/342万 | 355万 | - |
※1:DOLPHINにはスタンダードモデル(左の数字)とロングレンジモデル(右の数字)の2種類が存在する
※2:SEALにはFRモデル(左の数字)と4WDモデル(右の数字)の2種類が存在する
一番お求めやすいのがDOLPHINで、スタンダードモデルはCEV補助金込みで298万円と、EVとしては破格の安さです。
航続距離は400kmと十分に確保できているので、普段使いで困る心配もありません。
価格帯としては中間にあるATTO3は、SUVゆえの汎用性の高さが売りの一台です。
オンロード・オフロード問わず走行できるので、日常生活だけではなく、アウトドアレジャーでも問題なく使用できます。
他社ならオプションで追加するような機能も標準装備されているうえに、車内も広々としているので、実用性の高さはピカイチですね!
走行性能を優先するなら、今春発売予定のSEALがうってつけでしょう。
航続距離が555kmで、モーターの最大出力は390kWと、DOLPHINとATTO3の値を大きく上回っています。
この個性あふれるラインナップが、BYDの強みというわけです!
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BYDのEVとガソリン車との比較
さて、ここからはいよいよ他メーカー車との性能比較です。
最初に比較するのは、日本ではまだ主流のガソリン車です。
各車種、同程度のサイズのガソリン車を対象に、航続距離やコストパフォーマンス、各種装備などを比較していきます。
なお、今回もBYD横浜中央店の岡田さんに、要点を補足していただいております!
DOLPHIN
まずは、DOLPHINからです。
同サイズの国産ガソリン車と比較したところ、航続距離やコストパフォーマンスの面では、以下のような結果となりました。
【DOLPHINとガソリン車の比較表】
比較項目 | DOLPHIN スタンダードモデル | DOLPHIN ロングレンジモデル | T社の同サイズのガソリン車 |
電池容量(kWh)/ガソリン容量(L) | 44.9 | 58.56 | 50 |
航続距離(km) | 400 | 476 | 860 |
交流電力量消費率(Wh/km) | 129 | 138 | - |
燃料消費率(km/L) | - | - | 17.2 |
フル充電/燃料満タンにかかる金額(円) | 1,392 ※1 | 1,815 ※1 | 8,500 ※2 |
1万km走行した際にかかる電気代/ガソリン代(円) | 39,990 | 42,780 | 98,840 |
車両価格(円) | CEV補助金込みで298万 | CEV補助金込みで342万 | 264万 |
※1:一般家庭の電気代を31円/kWhとして計算
※2:ガソリン価格を170円/L(ガソリン税53.8円/L・消費税10%込み)として計算
これはどの電気自動車にも言えることですが、単純な航続距離だけを見ると、ガソリン車のほうが優れているように思えます。
しかし、ここで注目してほしいのが、1万km走行した際にかかるコストの部分です。
DOLPHINでは、両モデルとも4万円前後で電気代が収まっているのに対して、ガソリン車のほうは燃費差に加え税金が高いこともあり、その倍以上の燃料代がかかっています!
岡田さん:
ほかにも、EVは自動車重量税が新車登録時と初回車検時は免除されたり、定期的なオイル交換が発生しなかったりと、継続的に発生する費用が少ないという利点があります。
なので、長期的な維持コストに関しては、EVが有利であることは間違いありません。
装備面の違い
搭載される装備面の違いも見逃せません。
DOLPHINには、レーンキープアシストのような一般的な安全装備のほかに、子どもの置き去り検知や、ペダルを踏み間違えた際の加速抑制機能も搭載されています。
対して、ガソリン車には、一般的な安全装備は搭載されているものの、上記のような機能や装備は備えられていません。
また、細かなところでは、ガソリン車だとオプションの空気清浄機能やシートバックポケットなどが、DOLPHINでは標準装備なのもうれしいポイントです。
車両価格はガソリン車のほうが安価ですが、長く乗りつづけた際のコストの差や、こうした装備面の差を考えると、総合的にはDOLPHINがお買い得かな、と個人的には感じました!
ATTO3
ATTO3については、同じSUVタイプのガソリン車と各種項目を比較しました!
【ATTO3とガソリン車の比較表】
比較項目 | ATTO3 | M社の同サイズのガソリン車 |
電池容量(kWh)/ガソリン容量(L) | 58.56 | 56 |
航続距離(km) | 470 | 773 |
交流電力量消費率(Wh/km) | 139 | - |
燃料消費率(km/L) | - | 13.8 |
フル充電/燃料満タンにかかる金額(円) | 1,815 | 9,520 |
1万km走行した際にかかる電気代/ガソリン代(円) | 43,090 | 123,190 |
車両価格(円) | CEV補助金込みで355万 | 358万 |
航続距離と電費/燃費の面に関しては、DOLPHINと同様の結果になっていますね。
ただし、1万km走行した際の電気代/ガソリン代の差は3倍近くあり、先のケースよりも大きな差が生まれています。
SUVは車重が重くなるため、ガソリン車の場合はどうしても燃料消費率が悪くなり、結果燃料費が増してしまうのです。
一方で、EVはガソリン車よりもパワーが出やすいので、車重が増えてもその影響を受けにくく、電気代もほとんど変わりません。
車両価格もわずかながらATTO3のほうが安いので、コスト面ではATTO3の勝利と言ってもよいのではないでしょうか!
岡田さん:
航続距離は、ガソリン車には及ばないにしても、街乗りならまず問題にならないと考えています。
遠出の際も、高速道路や各地の商業施設にある充電スポットをご利用いただけますし、そもそも470kmも走行できるわけですから、ご心配はいりません。
装備面の違い
装備面の違いでまず目についたのが、サンルーフです。
ガソリン車のほうはサンルーフがオプションなのに対して、ATTO3は標準で装備されているので、「お得感が違うなあ」と感じました!
音声操作の有無も注目したい部分です。
BYDのEVでは、「ハイ、BYD」と声をかけると音声操作が開始され、エアコンの調整や窓の開閉などを、声掛けだけで操作することができます。
こうした装備も込々で、維持費も価格も安いとなると、やはりATTO3のほうが魅力的に思えますね!
SEAL
SEALの比較対象としては、4ドアセダンのガソリン車のなかでも、エンジンの性能に優れる車種を選びました。
【SEALとガソリン車の比較表】
比較項目 | SEAL | SEAL AWDモデル | N社の同サイズのガソリン車 |
電池容量(kWh)/ガソリン容量(L) | 82.56 | 82.56 | 80 |
航続距離(km) | 640 | 575 | 800 |
交流電力量消費率(Wh/km) | 148 | 165 | - |
燃料消費率(km/L) | - | - | 10 |
フル充電/燃料満タンにかかる金額(円) | 2,559 | 2,559 | 13,600 |
1万km走行した際にかかる電気代/ガソリン代(円) | 45,880 | 51,150 | 170,000 |
車両価格(円) | 528万 | 605万 | 590万 |
1万km走行した際の電気代/ガソリン代の差は、これまでの2車種同様、非常に大きく開いていますね。
特に通常モデルでその差が顕著に出ていることがわかります。
SEALは両モデルに同じバッテリーが搭載されている関係上、重量の軽い通常モデルのほうが、走行距離も電力消費の効率も優れているのです。
その結果が、1万km走行した際の電気代にも表れているわけですね。
もちろんAWDモデルも、ガソリン車と比較すれば大幅に走行コストが低いことには変わりません。
「セダンが好きだけど、ガソリン代を考えると手が出せない……」とお悩みの方は、ぜひSEALを検討してみてください!
走行性能の違い
SEALがコスト面で優れていることはわかりましたが、ハイエンドモデルである以上、やはり大事なのは走行距離ですよね。
走行性能に優れるSEALは、ガソリン車とどのような違いを見せてくれるのでしょうか?
以下に、走行性能に関するパラメータの比較結果をまとめました。
【SEALとガソリン車の走行性能に関する比較表】
比較項目 | SEAL | SEAL AWDモデル | N社の同サイズのガソリン車 |
最高出力(kW) | 230 | フロント:160 リア:230 | 298 |
最大トルク(N.m) | 360 | フロント:310 リア:360 | 475 |
0km/hから100km/hに加速するまでのタイム(秒) | 5.9 | 3.8 | 4.8 |
まず目につくのが、AWDモデルの圧倒的な出力!
リアモーターだけでも230kWあり十分に思えますが、そこへフロントモーターの出力もあわさり、非常にパワフルな仕上がりを見せています。
加速タイムも3.8秒と凄まじく、これは、欧州メーカーの2,000万円以上する高級スポーツカーに匹敵するレベルです。
「値段が値段なのだから性能も高くて当然」と思われるかもしれませんが、ここで思い出したいのがCEV補助金の存在。
CEV補助金込みならなんと587万円で購入できるので、費用面でもアドバンテージがあるわけです。
車両価格を考慮するなら、通常モデルも負けてはいません。
単純なスペック勝負では一歩及ばないかもしれませんが、CEV補助金込みで483万であることを加味すると、十分な性能を有しているといえます。
コストパフォーマンスを優先したいなら、通常モデルがうってつけですね。
岡田さん:
もちろん、SEALは走行性能だけが優れているのではありません。
内装も非常に上質な作りで、各種装備も潤沢に搭載しているので、走行性能以外の面でも価格以上の価値を提供しています。
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BYDのEVと他社EVとの比較
ガソリン車との違いがよくわかったところで、次はEV同士での比較となります!
EVとしての利点は同じ以上、バッテリーやモーターなどの性能面での差や、価格の違いが気になるところです。
DOLPHIN
DOLPHINの比較対象は、サイズと価格帯がほぼ同じ国産のEVです。
まずは、バッテリーやモーター関連の性能を比べてみましょう!
【DOLPHINと他社EVの比較表】
比較項目 | DOLPHIN スタンダードモデル | DOLPHIN ロングレンジモデル | N社の同サイズのEV |
電池容量(kWh) | 44.9 | 58.56 | 40 |
航続距離(km) | 400 |