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電気自動車(EV)の航続距離の最新事情は?充電スポットやバッテリーも解説

もっちー

更新日:2024年12月26日



「電気自動車(EV)に乗り換えを検討しているが、1回の充電でどれだけ走れるか気になる。充電スポットも少ないし……。」と二の足を踏んでいる方は多いのではないでしょうか。

利点が多く、国も導入を積極支援しているEVですが、不安な点があるうちは手を出しづらいですよね。


本記事では、EVの航続距離を中心に、バッテリーや充電スポットなどの「電欠」につながりやすい問題を掘り下げます。

EV購入の前に参考になさってください。


目次


電気自動車(EV)の利点


EVとは、バッテリーに蓄えた電気によって、モーターを動かし、車を駆動させる仕組みの自動車を指します。

エンジンもガソリンも使わないので、走行中に排気ガスもCO2も出さない、クリーンエネルギー車(CEV)の代表格として、国が率先して導入を進めているのは周知の通りです。


このほか、「経済性がよい」、「振動が少なく、騒音も出さない」、「災害時に蓄電池として使える」などもガソリン車にない、EVの利点とされています。


電気自動車の航続距離(走行距離)の現状


さまざまな利点のあるEVですが、実用技術面ではいまだ発展途上であり、改良の余地があると評価される項目も残されています。

「ガソリン車と比べて航続距離が短い」点もそのひとつです。


航続距離とは、1回のフル充電で走れる距離のことをいいます。

メーターがエンプティになるまで電気、燃料を使い切った状態ですね。


確かに、比較的手ごろな価格で買えるEVの普及モデルには、航続距離が100~200km程度という小型車も少なくありません。

その一方で、航続距離が500kmを超える大型バッテリー搭載の上級車種のEVも販売されていますが、これらはまだ非常に高額です。


大づかみにいうと、現在のEVは車種によって、続距離200km程度と、400~600kmの2グループに分かれています。

では、この走行性能は、現行ガソリン車に比較してどうなのでしょうか?

ガソリン車との航続距離(走行距離)の差は?

ガソリン車の航続距離は、車種や走行環境、乗車人数などの条件で変わってきますが、国産車であれば500km以上になるように設計されているようです。

国産主要メーカーの人気車種の場合、航続距離は600~800kmです。

なかには1,500km以上走れる燃費のよい車もあります。


燃料タンク容量が30L程度の軽自動車も、燃費(WLTCモード=後述)は20km/L以上の場合が多く、航続距離は500km以上と見た目よりもタフです。

同様に、燃料タンク容量50L程度の中型車クラスの航続距離も500kmが確保されています。


要するに、航続距離500km程度のEVであれば、ガソリン車に匹敵する性能と評価できるわけですが、これは上位車種のカテゴリーです。

航続距離で見る限り、現在のEVは最高級クラスでも、ガソリン車の軽自動車と同程度であるにすぎません。

実際値とカタログ値との差に注意

注意すべきは、これらの航続距離はすべてカタログ燃費であり、実際の航続距離は車種によらず、カタログ値の7割程度とされている点です。


現在、その車種のカタログに掲載されている燃費表示は、WLTCモードとよばれる

「市街地」、「郊外」、「高速道路」などの走行値で構成された国際的な試験法に統一されています。


これはガソリン車もEVも同様なので、カタログ値同士、実燃費同士で比べるぶんには、支障はありません。

ただ、カタログ航続距離500kmのEVの実航続距離は330~350km程度でしかないのは事実です。


なぜ、カタログ航続距離と実航続距離に差があるのかというと、実際の走行環境がWLTCの電費測定モードと異なるからです。

具体的には、外気温や天候、上り坂や下り坂での運転、アップダウンや渋滞、加減速の仕方やスピードを出すか、出さないかといった違いです。


もちろん、冷暖房やカーナビ・オーディオの使用状況によっても、電力の消費量は大きく変わってきます。

このように、EVの航続距離は搭載バッテリー容量以外の要素によっても左右されるため、カタログ値と実際の航続距離は異なるということは覚えておきましょう。

実際に求められるEVの航続距離は?

ガソリン車ではあまり聞かれない、「バッテリー残量の心配と充電の苦労」が、EVで遠出した場合には、まだどうしてもつきまとうのは事実です。

なぜかといえば、ガソリンスタンドにあたる急速充電スタンドの絶対数が充足されていないからです。


いくら充電スポットの数が増えたといっても急速充電器はまだ全国で9,000基程度、かたや減少一途とはいえ、28,000か所のガソリンスタンドには及びません。

最初に設置されてから10年以上が経過し、故障する充電器が出てきたり、場所によっては撤去されたりもしています。


それもあって、充電器数の純増ペースは鈍さが否めません。

日本政府は2030年までに公共用の普通充電器を12万基、急速充電器を3万基設置するという目標を掲げていますから、それまでの辛抱ということになるでしょうか。


航続距離についても、普通の遠乗りができるカタログ値500kmクラスの上位車の価格はまだ高く、あまり普及していません。

どうしても充電インフラ頼みにならざるを得ないのに、その数が不足しているわけですから、EVでガソリン車並みに遠乗りしようとしたら、充電スポットの課題に行きつきます。


しかし、これらのデメリット(あくまで現在の、ですが)に目をつぶり、タウンユースに限定すれば、EVの航続距離の短さ=使い勝手の悪さとならないのはお話ししてきたとおりです。

自宅の駐車場に充電器が設置されていれば、出先で充電スポットを探す苦労が軽減しますし、スタンドで給油するしかないガソリン車よりも利便性があります。


EVの充電スポットにしても、スタンドをはじめ、自動車ディーラー、コンビニやショッピングモールの駐車場、SA・PAをはじめ、あちこちにあります。

高速道路で長距離をドライブしたり、充電スポットから遠い田舎道や峠道を走ったりするような無理をしなければよいのです。


自分の土俵で戦えば、EVの現行性能はすでに「求められる航続距離」の水準にあるといえるでしょう。


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EVの遠乗りは電欠の不安がつきまとう

ただ、走る前に充電スタンドの場所をチェックしたり、自宅での充電に長い時間(満電まで約10時間)を要したり、といったEVのウイークポイントは存在します。


ガソリン車で走行中にガソリンがなくなれば「ガス欠」、EVのバッテリー残量がなくなれば「電欠(でんけつ)」です。

EVが普及し始めて、こんな言葉も生まれてきました。


通勤や買い物などの日常利用ではなく、カタログ燃費200kmの車で200km以上の距離を走ろうとすると電欠の不安が頭をよぎるはずです。


外出先での充電は急速充電スタンドを使うことになりますが、高速SAの充電器は渋滞していて長時間待たされることもあれば、充電スポットがそもそも少ない地域もあります。

特に充電スポットの渋滞は、多くのEVユーザーが改善を望んでおり、EV購入に二の足を踏ませる一因になっているとの指摘も聞かれます。


こうした現在の充電スポット未整備の状況下で、万が一とはいえEVの電欠を回避するには、やはり何らかのリスクヘッジ手段を考えておかねばなりません。

それにはまず、走る前にルート上の充電スタンドの位置を確認し、予備の場所を含め3~4か所は候補を抑えておくことです。


ただ、GWやお盆休み期間など、高速道路の渋滞率が上がっている時期は、どこの高速SAの急速充電器も混雑している可能性があります。

これらの時期には、電欠の不安がある航続距離の短いEVでは、無理な遠出は避けたほうが無難かもしれません。


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電気自動車の航続距離(走行距離)の目安


実際にEVを使用するのであれば、どの程度の航続距離のスペックを選べば安心なのでしょうか。

ここでは、利用ケースごとに航続距離の目安をお伝えします。

普段使いなら200kmでも十分

一般的な普及車クラスでは、ガソリン車の航続距離には届いていないEVですが、日常使いを想定した場合は、どこまで実用水準にあるのでしょうか。

たとえば、通勤や買い物、子どもの送り迎えなどですね。

これらにEVを利用する場合、目的地との往復距離はせいぜい20~30km程度のはずです。

購入したEVの航続距離がカタログ値で200kmであったとしても、1回の移動距離が20~30km程度であれば、電欠の不安はありません。


2022年から軽自動車タイプのEVも登場してきていますが、これらはまさに“普段使い”を前提に開発されたものです。

航続距離もカタログ値で180km程度と短いですが、これは「軽自動車ユーザーの約8割は1日に50km以下しか走行しない」(三菱自動車調べ)データが根拠となっています。

日常的な走行距離が20~30km程度であれば、航続距離が180㎞であっても2~3日に1回の充電でなんら問題はありません。


こうした航続距離の短い車は搭載バッテリーが小さい分、車両価格も抑えられており、セカンドカーとしての需要が見込まれています。


参照元:三菱自動車「2022年6月13日ニュース[三菱自動車、新型軽EV『eKクロス EV』を6月16日に発売]」

ロングドライブなら400km以上必要

それでは、デイリーユースの距離を大きく超えて、遠方までEVを走らせる場合はどうでしょう。

仮に、航続距離がカタログ値で450kmのEVであれば、実用能力は300km程度としても片道100km程度のドライブなら、外出先で充電なしで帰ってこられます。


もっと長距離、片道500km、往復1,000km程度の東京~大阪間の往復をシュミレーションしてみましょう。


家庭で夜間充電したあと、高速SA内の急速充電器で行った充電回数をカウントします。

フル充電で自宅を出発し、名古屋の手前で1回目の充電、大阪についてから夜間普通充電を行うと、2回目の充電は浜松~静岡あたりでしょうか。


これだと、急速充電器は2回の利用で済みそうですが、実際にはゼロメーター寸前まで充電しないということは考えにくいですね。

ドライバー心理として、充電量を一定維持しながら走るでしょうし、高速を降りて大阪市内でも走行するので、計4回は急速充電を行うことになりそうです。


カタログ航続距離400km以上であればロングドライブもできますが、運転距離が長くなればなるほど充電回数は必要になってきます。


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国産EVの航続距離

 

ここからは、国内で購入できる一部の電気自動車をピックアップし、航続距離をご紹介します。 

航続距離が長い車種から順番に、バッテリー容量とあわせてご覧ください。 

 

国産EVの航続距離一覧 

メーカー 

車種 

航続距離 

(km) 

バッテリー容量 

(kWh) 

日産 

アリア 

640 

91 

レクサス 

RZ RZ300e version L 

599 

71.4 

スバル 

ソルテラ 

567 

71.4 

レクサス 

UX300e 

367 

54.4 

トヨタ 

bZ4X 

487~559 

71.4 

日産 

リーフ 

322~450 

40~60 

マツダ 

MX-30 EV MODEL 

256 

35.5 

ホンダ 

Honda e 

259 

35.5 

日産 

サクラ 

180 

20 

三菱 

eKクロス EV 

180 

20 

 

国内においては、日産のアリアが航続距離、バッテリー容量ともに高い数値を誇っています。 

ただし、購入価格は738万円以上と、高価なのが難点ともいえます。 

 

輸入EVの航続距離

 

続いては、国内で購入できる輸入EVの航続距離をご紹介します。 

2024年6月より国内で販売が開始された、BYDのSEALを含む全10種類を、以下の表にまとめました。 

 

輸入EVの航続距離一覧 

メーカー 

車種 

航続距離 

km) 

バッテリー容量(kWh) 

BYD 

SEAL 

640 

82.6 

ヒョンデ 

IONIQ 5 

498~618 

58~72.6 

BYD 

DOLPHIN LongRange 

476 

58.5 

メルセデス・ベンツ 

EQB 

468~520 

66.5 

BYD 

SEAL AWD 

575 

82.6 

シトロエン 

Ë-C4 ELECTRIC 

405 

50 

BYD  

ATTO3 

470 

58.6 

BYD  

DOLPHIN  

400 

44.9 

BMW 

iX3 

508 

80 

ボルボ 

C40 Recharge 

484~502 

69~78 

 

ご紹介したなかでもっとも航続距離が長いのは、BYDのSEALです。 

通常モデル・AWDモデルともに、バッテリー容量がほかの車種よりも大きいのが特徴です。 

電気自動車を購入するうえで、航続距離やバッテリー容量を重視する方は、BYDのSEALをご検討されてみてはいかがでしょうか。 

 

バッテリーの劣化による航続距離への影響

 

電気自動車を乗りつづけることでバッテリーが劣化すると、航続距離を減らす要因となります。 

 

バッテリーはガソリン車のタンク量と同じく、その容量が大きいほど1回の充電で走れる距離が決まります。 

しかし、電気自動車に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、使用するに連れて劣化していく特徴をもつ電池です。 

このリチウムイオンバッテリーの劣化が、航続距離に影響を与えるというわけです。 

 

このことから航続距離を保つためには、バッテリーの劣化を防ぐ必要があります。 

具体的には、充電が満タンの状態で充電器に接続しつづけたり、空の状態で長時間放置したりするのを避け、バッテリー残量を30~80%に保つことで、バッテリーの劣化を防げます。 


バッテリー劣化問題を考える


次に、EVのバッテリーそのものについても考えてみましょう。


EVは、車を使用していないあいだも少しずつ放電されるため、バッテリー残量は徐々に減っていきます。

寒い場所など、環境によってはEVバッテリーの減りも早くなります。

さらに、使い続けて古くなると、バッテリー自体の性能も劣化し、EVの「電化製品」としての弱点も顕在化してくるのです。


ガソリン車やハイブリッド車は、平均使用年数13~15年で、新規登録車が登録抹消に至るというのが統計上のデータです。


EVの場合、モーターなど、バッテリー以外の部分に重大な問題が起こることはほとんどないので、基本的には「EVの寿命=バッテリーの寿命」といえます。

とはいえ、5年程度で寿命がくるものではなく、8年程度は問題なく乗れるのは、バッテリーに8年のメーカー保証がついていることからも分かります。


参照元:「一般財団法人自動車検査登録情報協会の令和2年の普通自動車平均使用年数調査」 https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000u7ao-att/r5c6pv000000u7b3.pdf

バッテリー劣化はいつから始まる?

EVのバッテリー劣化が始まるのは購入して何年後ぐらいでしょう。

スマートフォンなどは購入してから2~3年も経過するとバッテリーが劣化し、半日でバッテリーが切れてしまうということも起こります。


EVの場合は、バッテリーの劣化を実感するのは、新車購入から8年程度が経ってからが多いといわれます。

まさにメーカー保証が切れるかどうかのタイミングですね。

特に、急速充電の使用時に、充電される電力量が少なくなることで、バッテリーの劣化に気づくケースが多いようです。


それでも、10~15年程度は乗り続ける、というユーザーが多いので、実用性能でみたらバッテリーは案外長持ちといえるかもしれませんが。


車種でいうと、バッテリーが劣化して、実用上の不便を感じるのは航続距離が短い小型車の場合です。

もともとのバッテリー能力が小さいので、蓄電容量が購入時の70%程度になると、頻繁に充電を繰り返すようになります。


これに対して、フル充電で600km以上走る上級車種の場合は、なんといってもバッテリー能力の余裕が違います。

バッテリーの劣化で航続距離が20%減ったとしても、まだ500km程度は余裕で走ることができるので、実用に支障を来たすといったことは考えにくいですね。

バッテリー交換か乗り換えか

EVのバッテリーの性能が低下していくにつれ、航続距離は徐々に落ちていきます。

電力の消耗が早くなり、航続距離300㎞以上の車が100㎞程度走ったら即充電、となってしまうこともあるわけです。

こうしたことからEVメーカーでは、新車登録年数や走行距離に期限を設け、バッテリー容量が減った場合の修理や部品交換サービスを行っているところもあります。


新車購入から8〜10年後にバッテリーの劣化を実感したとき、選択肢は大きく分けて2つです。

「実費数十万円をかけてバッテリーを交換し、その車に乗り続ける」か「新車や中古のEVに乗り換えるか」です。


バッテリー交換は大型車であれば、買い替えより安くつくので合理的な選択と思われます。

しかし、低価格の小型車であれば、「新車に乗り換えたほうが新機能もついてるぶんお得」と考えることもできるはずです。


新車より安い中古EVはどうか、といえば、出回っている台数も車種も少なく、バッテリーも最初から劣化しているわけですから、あまりおすすめはできません。

仮に、中古EVのバッテリーを新品に交換した場合、交換費用は約60万〜80万円、中古車体価格に匹敵します。

その点を考えると、やはり新車のEVが一番コストパフォーマンスがよいといえそうです。


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バッテリー以外に航続距離が変わる要素

 

電気自動車の航続距離に影響する要因は、バッテリーの劣化だけではありません。 

ここからは、外部環境や電気自動車の利用方法といった、航続距離の低下をもたらす要因をご紹介します。 

外気の気温

電気自動車に搭載されているリチウムイオンバッテリーの性質上、極度の寒さや暑さによって電力の消費量が変化し、航続距離に影響することがあります。 

 

リチウムイオンバッテリーは、4℃未満または46℃以上になると、パフォーマンスが低下して、電力の消費量が大きくなります。 

これはバッテリーの内部に含まれる電解液の化学反応で電気を生む速度が、気温の低下により遅くなることで、生成できる電気量が減少してしまうためです。 

 

とはいっても、気温による電力の消耗だけでは、さほど航続距離に差が出るわけではありません。 

航続距離を低下させる大きな要因は、車内で使用する冷暖房です。 

冷暖房の使用によって、電気自動車の航続距離が短くなる仕組みについては、次項で詳しくお伝えします。 

冷暖房の使用

電気自動車内での冷暖房の使用も、航続距離を短くすることにつながります。 

 

ガソリン車は、エンジンの力を使ってエアコンのコンプレッサーを回すため、冷房をつけると燃費が悪く、対照的にエンジンの熱を活用する暖房は燃費に影響しないのが特徴です。 

一方電気自動車のモーターは、エンジンほど熱を発しないので、冷房と暖房ともにすべてバッテリーに貯めた電気を使用します。 

走るための電力を冷暖房に使うわけですから、航続距離の低下は避けられないのです。 

 

近年航続距離を長くするために、高い効率のヒートポンプ式エアコンを標準装備された電気自動車が販売されているものの、電力が消耗されることに変わりはないのが現状です。 

 

ちなみに、電気自動車では冷房よりも暖房のほうが多く電力を使用するため、航続距離は暖房を使用したときのほうが低下します。 

上り坂

上り坂を走行することも、航続距離が短くなる要因の一つです。 

人間が坂を上ると息切れするのと同様に、いくら強靭な車でも電気自動車・ガソリン車問わず上り坂は多くのエネルギーを使います。 

 

反対に下り坂では、電気自動車が坂を下るときに発する力でモーターが発電機として作用し、電気を発生させてバッテリーを充電する“エネルギー回生”が起こります。 

このように下り坂を走行したぶんだけ発電してバッテリー残量が回復するのは、モーターで動く自動車特有の現象です。 

 

下り坂で電力を回復できるとはいえ、上り坂と下り坂はセットになっていることが多く、せっかく回復させた電力以上に消費してしまうことも考えられます。 

そのため、航続距離をできるだけ伸ばしたい場合には、高低差のある道路は避けておくのが無難です。 

 

航続距離を伸ばすためにできること

 

走行する気温や道路の傾斜により、電気自動車の航続距離に影響が出ることをおわかりいただいたうえで、次は航続距離を伸ばす方法をご紹介します。 

速度を上げ過ぎない

電気自動車の航続距離を長くする秘訣は、速度域を広げ過ぎないことです。 

これは電気自動車が低速度であるほど、電気を消費する量が少ないという特徴をもつためです。 

そのため、高速道路のように速度が上がる場所では、電力の消費量が大きくなります。 

 

また、電気自動車の乗車時に急加速を控えることもポイントです。 

人間が重量のあるものを持ち上げる際、一度グッと力を入れる感覚と同じで、電気自動車が何度も発進加速を繰り返すと、40%以上の電力を消費してしまうといわれています。 

 

これらを踏まえて、航続距離を伸ばすには、電気自動車の運転時に速度を抑え、速度を上げる際はゆっくりとアクセルを踏むことが重要です。 

回生ブレーキを活用する

電気自動車を停車する際に、電気自動車の代表的な特徴である“回生ブレーキ”を使うことも、航続距離を伸ばす工夫の一つです。 

 

回生ブレーキとは、減速時にモーターを動かすことによって発するエネルギーを電力に変換して、バッテリーを充電できる緩やかなブレーキ操作を指します。 

モーターに負担がかかる急ブレーキを避け、ゆとりをもって減速することで、動力源となる電力を増やすことが可能です。 

 

回生ブレーキを踏むには、車間距離を取り、速度を抑えて走行する必要があるため、航続距離を伸ばすだけではなく、安全運転にもつながります。 

大量の荷物を積まない

電気自動車の航続距離を保つためには、車内に積み込む荷物を最小限に抑えることも大切です。 

車体の重量が増えるとモーターに負荷がかかり、バッテリー内に貯まった走行する際に必要な電力を消費してしまうためです。 

 

なお、ガソリン車はガソリンの補給量によって重量が異なるものの、電気自動車の場合はバッテリー内に貯めた電力の割合によって重さが変わることはありません。 

そのため、電気自動車内の重量を考慮する際に、バッテリー容量の確認は不要です。 

タイヤの空気圧を適切に保つ

適正と定められた空気圧より緩んだタイヤで走行することも、航続距離を縮める要因です。 

自動車のタイヤには、通常、適した空気圧が運転席のドア付近にkPa(キロパスカル)で表示されています。 

 

この適正空気圧が維持できていないと、タイヤが変形して、路面に接する面積が広くなり、摩擦量が増えます。 

路面との摩擦が増えることによってモーターに負荷をかけ、結果として航続距離が短くなってしまうわけです。 

 

空気圧を保つためには、市販の携帯用空気圧計で測定したり、洗車場やディーラーで定期的に測ってもらったりして、こまめに空気圧を確認しましょう。 

また、サマータイヤやスタッドレスタイヤといった、季節や路面状況に合ったタイヤを装着するのも手段の一つです。 


航続距離が短い電気自動車の電欠対策

 

電気自動車の使用用途に合わせて航続距離が短い電気自動車を選んだ場合、やはり気になるのは電欠対策ではないでしょうか。 

 

「走行中に電欠になってしまった……」という事態を防ぐために、ドライブ前に備えられることをお伝えします。 

充電先を確認しておく

ドライブの計画を立てる際に、目的地点だけではなくどこで電気自動車を充電するのか、充電スポットをあわせて決めておきましょう。 

利用する充電スポットを考慮して出発地点から目的地点までのルートを組むことで、予期せぬ電欠を防げます。 

また、充電スポットのある商業施設や宿泊施設を目的地に設定すれば、充電時間を有効活用することも可能です。 

 

充電スポットの利用料金を前もって把握することができるので、想定する予算を超える利用料金がかかることもありません。 

ロードサービスを活用する

補償内容としてロードサービスがついた自動車保険に加入することも、事前にできる電欠対策です。 

 

一般的な自動車保険のロードサービスでは、電欠で止まってしまった際に、近くの充電スポットまで運んでもらえます。 

このようなサービスを利用できる保険に加入していれば、道路で立ち往生して途方に暮れる心配はご無用です。 

EVの航続距離は年々伸長! 国で進むEVシフト


日本政府は2020年に「カーボンニュートラル宣言」を発表、ガソリン車やディーゼル車を廃止し、新車販売をすべて電動車にするという方針を示しました。

2021年には「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と、具体的な時期も示され、さらに2050年以降は、利用も含めたガソリン車の完全廃止の目標も掲げられました。


一方、東京都も国の方針よりひと足早く、2030年までにガソリン車の新車販売禁止を表明しています。

ここでいう、電動車には、電気自動車(EVまたはBEV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEVまたはPHV)、ハイブリッド自動車(HV)が含まれます。


いうまでもなく、主眼が置かれているのはEVの普及促進です。

日本以外の先進各国も、2030年代から2040年代にガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する方針を打ち出しています。

今後は欧・米・中・日を中心に、各国でますます「EVシフト」が進むことでしょう。


そうしたなかで、今後のEVがどのようになっていくのかは興味深いところです。

まず、航続距離に直結するバッテリー問題については、最近トピックがありました。

トヨタが2023年6月に発表した「全固体電池」の2027~28年の実用化(自社EVへの搭載)計画がそれです。


発表によると、1,200kmの最大航続距離、急速充電時間10分以下という、飛躍的技術革新ですが、今後の量産化とコストダウンの行方が気になるところです。


いずれにせよ、官民挙げた取り組みがいよいよ盛り上がりを見せるであろう今後のEV開発競争。

その鍵を握るのはもはやコストのみといっても過言ではないようです。


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EVの航続距離伸び利用範囲も一段と拡大


現在では多くの車種が航続距離200kmを実現したEV。

1日30km程度といわれる日常使い、タウンユースであれば、何ら問題なく使用でき、途中充電せずに遠出できる距離も伸びています。


バッテリー性能の向上や、充電スポットの拡充によって、今後もさらにその利用範囲は広がっていくと思われます。

今回はそんなEVの航続距離を中心に、バッテリーや充電スポットの現状と今後の見通しについて取り上げてきました。


BYDでは「日本のすべての人にとって、EVが選択肢になるように」をモットーに、日本におけるEV販売を開始しました。

2023年4月にオープンしたBYD横浜中央では、EVの展示・販売を行っています。


試乗も承っており、これまでの車とは違うEVならではの楽しさ・乗り心地を実感した、

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BYD ATTO 3の試乗レポートはこちら

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